法治主義と人治主義
現今の社会経済システムが、情報管理技術の高度化
により、その精緻化を加速し個人の意思決定も瞬時
に取り込み社会全体の安定的な統合を図っている。
各種の天災発生時や、国際的紛争への現実的な対応
に関しても、国民が如何に行動すべきかの情報指揮
がメディアを通じてなされる。只今、A地域で地震
が発生しました。津波の恐れがあります。命を守る
ために直ちに高台へ避難して下さい。この呼びかけ
が執拗に繰り返される。過去の様々な事件を教訓に
行為規制や誘導が重要視されている。国家の保護力
が強化され、安心安全な国家社会の実現に向け着実
な前進が確認できる。この流れにあって、国民各位
は管理、監視対象となり、混乱を発生させる場合は
即時に反社行為者として認定され、各種の人権規制
がなされる。自由民主主義、資本主義社会の原則的
法治主義である。これでは、閉塞社会であって、息
がつまるではないか。との意見や反論が出て怒りの
デモが頻発すると心配されるが、日本国はこの点に
関し法治主義のさじ加減が絶妙で、法治主義を建前
に実際は人治主義で、各種事件や問題を処理する。
巷間論議されているオリンピック利権事案は典型的
な展開である。本件は関係者間では黙認されてきた
案件であったにもかかわらず、安倍元総理の死去に
合わせてやっと問題点が噴出してきた。日本社会は
法治主義を看板に人治主義で対処する八百長社会で
である。別の言い方をすれば、本来はダメですが、
今回は貴殿の特別な人間関係を考慮して、例外的に
問題としません。八百長では、胴元との関係が斟酌
される訳である。安倍元総理を中心に上級国民達は
これまでヤリタイ放題であった。検察にしてみれば
この日々を待ち侘びていた。人事権を内閣に握られ
社会正義の実現を果たせなかった悔しさは今や怒り
に変わっている。しかしながら、国民は冷静に現状
を見つめている。田中角栄元総理が逮捕された時の
様な感動がない。長期的なへドロ生活に身体が慣れ
八百長社会に向ける怒りも消え失せ、そんなん常識
やろ。まさに、怒りの老齢化である。自分の懐具合
に関係の無い話は、関心無用である。電通の高橋が
大和田常務が非難されても他人事である。しかし、
国立競技場周辺の再開発利権に係わる連中は眠れぬ
日々を過ごしているはずである。利権目当ての手形
が不渡りになり、地上げ関係者の破綻が続けば政界
での一大疑獄事件となろう。天網恢恢疎にして漏ら
さず。法治主義の網が人治主義のハサミで切り刻ま
れる八百長社会では天照大御神様による徳治主義に
すがり、その慈愛を頂き真実一路の人生を送るべき
である。人としての正道は天に祈願し、仏を供養し
働きをもって信仰となす勤労教に徹する事である。