[エゲタメ]と[エロタメ]
そもそも[エンタメ]って、何ですか。人を楽しませ
る、各種演芸だろう。昭和を起点にすれば、戦後の
焼け野原に響いた歌謡曲、寄席の落語、漫才、芝居
小屋での歌舞伎、股旅もの、銀幕の映画、さらには
国民を勇気づけた力道山のプロレスが頭に浮かぶ。
これらは楽しませてもらうために、お決まりの場所
まで足を運ぶ必要があり、感動を買いに行くのが、
原則であった。しかし、昭和30年代後半、各家庭
にテレビが普及し、家に居ながらにしてエンタメを
味わう事が可能となった。ゴロンと寝ころんでは、
もっと楽しませろ、とテレビ画面に文句を言う時代
が到来した。つまり、演者と観客の上座下座の位置
が逆転し、[お客様は神様]に昇華した。この状況
変化は、地上波放送のスポンサーである各企業には
テレビ広告を実施する際の絶対的前提となり、以後
[視聴率]の平板三文字が国民のお喜び指数と化し、
後援番組の選定がなされる事となった。この時代的
潮流を踏まえて、存在感を誇示したのは[吉本]だ。
演芸の基本は、ケンカ上等芝居だ。笑わせまっせ、
をウリに関西から全国区へ活動領域を広げ、企業側
もいわゆるコンプラ問題はあるにせよ、ウケル以上
しょうがない、との姿勢で後援中だ。しかしながら
芸人の言葉使いの習慣は、これまでも、これからも
エゲツナイの象徴に変わりはない。エンタメならぬ
[エゲタメ]だ。この関西代表の雄を凌駕する存在が
[ジャニーズ]である。日本のエンタメは演歌が表現
する様に、日本人の心の地下水である[涙]の発露
である。酒、別れ、雨、慕情は、キーフレーズだ。
この湿っぽい[四畳半文化]の枠組みと一線を画す
のがジャニーズショーだ。きらびやかで綺麗な舞台
で繰り広げられるダンスミュージックは、思春期の
若者達に強烈な刺激を与え、アイドルこそが、若者
の先導者である事を印象づけた。ジャニー喜多川は
とにかくカワイイ男達をスカウトし続け、現代日本
の[イケメン]定義を決めた。彼は、1960年代
初頭に[ウエストサイド物語]に感銘を受け創業を
決意し、日本とは異質な米国流エンタメの追求こそ
自身の天命と悟り、ショービジネスに全てを懸けて
光輝な人生を送った。だが、87際で死没後、華麗
な舞台裏で展開された強圧的な暗黒の[屹立ショー]
が暴露、指弾される。現状、マスコミ使用の性加害
なる言葉は喜多川の悪質性を緩和し、不同意性交罪
の重大性を看過するものだ。さらに、後継者による
本件謝罪会見の実質は、今後も少年エロスショー、
[エロタメ]続行の決意表明だ。また、東山氏が次期
社長となるが、出席メディア一同との相変わらずの出来芝居で、完璧な[仮面舞踏会]の様相だ。さて、
この夏、慶応義塾高校が107年ぶりに神宮甲子園
で優勝旗を獲得した。感激する中で鑑主は考える。[ペンは剣より強しとも、ジャニタレはペンより強し]