官治主義と自治主義(2)

官治主義と自治主義(2)
国家による官治主義の宝刀は、徴税権の行使と微兵
制度にある。この徴兵制度に関しては国是や国家の
存立状況による相違があり、本論では除外する。
一方、国民の官治主義への抵抗は選挙権にある。
国民主権と言う言葉がある様に、選挙を通じて国民
各人が自らの意思表示をなし、国家の有り方を決定
する。これこそが、まさに自治主義である。
しかし、意見がまとまらない。議論は延々と続く。
タイムオーバー、自由民主社会の常套決着は多数決
である。現状の多数派勢力が決定権を握る。議論の
始めに結論は出ている。今、モチを配れる政党が、
モチの在庫があるかぎり選挙では必ず勝利する。
これから皆一緒にモチを作りましょうと、赤旗を揺
らしても、間に合わない。皆さん行儀良く並んで下
さいと日蓮が呼びかけてもそちら様だけ宜しくだ。
二番じゃダメですか、甲高い声で叫ばれてもモチが
無くなったらどうするんだよ。
かくして、今モチを配れる政権与党が混乱する自治
主義闘争に常に勝利する。自治主義の溶解状態だ。
さて、舞台は変わる。選挙勝利政党の大先生達は、
官僚を呼びつける。今後の日本運営シナリオはどう
描くと聞く。あうんの呼吸で利権分配作業が進めら
れる。賢者各位に説明不要。この段階で政党は圧力
団体と化す。勝利政党議員は、国家公認ブローカー
として存在感を誇示する。後ろに控える支持者達は
センセイ方に拍手喝采、万歳三唱で花さか爺さんの
誕生を祝い続ける。ココ掘れワンワン、大判小判。
この間、主権者である立派な国民達はマンションの
部屋を王国にして、ゴロンと寝転んでスマホをいじ
くりながらロシア・ウクライナ戦争を嘆きつつも、
テレビ画面での堺正章先生の何点だ何点だに目を凝らす。
一般庶民は、常に戦争より身近な競争に目が行く。
近い内にドンと税金が高くなるのに、呑気な暮らし
に満足だ。あなたの背後でお役人達がほくそ笑む。
オモチを食べたんだから、しょうがないでしょ。
官治主義の恐ろしさは、忘れた頃にやって来る。

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