開運原論
開運原論 運命に関する考察(8)
生きる悩みはどこから生まれるのか。人はそれぞれ
だが、各自が特別な存在であり、姿形の違いと同様
に中身も当然異なる。個性と言えば、それで済む話
しであるが、あらためて目前の人達を見て、幸福な
生活者であるのか否か。この疑問をもって応接する
と、実は、に始まる悩みを吐露されることが一般的
だ。特にビジネスに関わる健常者に例外はない。
それは、汚れた下着の如く人前では見せなくても、
その汚れには気を使っている。この感覚が一見綺麗
であるが生命の輝きが今一つに映る原因となる。
さて、現世にて人が向き合うべき問題は死である。
今日は確かに生きている。明日も明後日も大丈夫で
あろう。来年も恐らく元気と考える。三年先程度も
安心の範囲である。しかし、五年先になると自信が
揺らぎ、十年先になると表情は曖味になって来る。
これが現実だ。生き続ける自信に溢れた青春時代を
経て、50代以後から老年になれば体力は年々低下
し活動意欲も弱まり、80、90代で絶命に至る。
生きる悩みの根源は、避けにくい生老病死の課題に
向き合わずに、三年程度先の成功結果を夢想して、
現状とのギャップを埋めきれないことにある。
多くの人が、解決を必要とする主題を不明確にして
無為の時を過ごし自信を喪失している。これを鑑主
は、人生の三年ギャップと考える。この三の数字が
持つ意味は深い。煩悩108も三で割り切れる。
三の数字は陰陽和合し、二極対立構造を安定化させ
る。朱子の易学啓蒙に、易に対極あり、これ両儀を
生じ、両儀四象を生じ、四象八卦を生ずとある。
人間は生誕と同時に、原罪をもって両儀四象八卦の
原理世界に生き、陰陽二極の対立が加速度的に拡大
する内に、死を迎えることになる。つまり、自分が
成長していく過程で常に二極対立の局面に立たざる
を得なくなる。言わば右か左かの選択を迫られる。
起業、拡張、提携、縮小、整理、廃業、破産等、
すべてにおいて明確な結論を出す必要がある。上記
通り人生は二者択一、二極対立の時間世界である。
よって、人生は迷いに始まり迷いに終わる原則だ。
仏教では、三界無安、三界流転の言葉で現世の苦労
と不安を説く。やたら身勝手に夢だけを追わずに、
生老病死の問題を各人各様に直視して、三思後行を
基本とし、冷静な三年を過ごせば相応の決着を得る
ことができる。従って、各人の大事は三年の周到な
計画の下、商い三年を心掛けることが肝要である。
ただし、人生の先行きに何が生起するかは不明だ。
また、各自の選択が必ずしも正解とは言えない。
貴殿の人生に三世了達の鐘が鳴る事を願っている。