『流川哀歌』

   『流川哀歌』
     ー広島終戦史ー
       (作詞)藤原晟芳

   いくさの罪を  追いかけず
   残り命を  育みあって
   身体を前に 押し出せば
   意地がぶつかり  火花散る
   呉の港に  戦艦沈み
   流川には 若木の桜
   言葉いらずの  春が来る
   前を見るしか  ないんじゃけぇ

   秒で消えた  街中に
   残り命を  探り出し
   縄を張り合い  生き抜けば
   励まし合って  命を繋ぐ
   呉の港に  軍服捨てて
   流川には  人集う
   赤いネオンに  体溶け
   酒に酔うしか  ないんじゃけぇ

   形残さず  消えた街
   残り命の  根っこにすがり
   兄の優しさ  身に染みる
   朝を迎える  軒下もなく
   呉の港は  夕焼け小焼け
   流川には  若さの悶え
   目と目が合えば  燃え上がる
   夢を見るしか  ないんじゃけぇ

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