『流転情歌』

   『流転情歌』
      (作詞)藤原晟芳
  

   北か南か 東か西か
   道案内の地蔵なく
   浮世の風がさらすのは
   下天世界の命花
   居並ぶ武将前にして
   尾張の龍が見せつける
   いくさ祈願の刃舞
   五十の幕で火に溶けて
   後を努める秀吉達も露と消え
   見果てぬ夢は身悶える

   迷いながらに行く道よ
   はぐれ合羽の一人旅
   現世の風が見せるのは
   高波迫る浮き沈み
   天下無双を信じては
   若き日々は燃えさかり
   老いたる日々は床に伏す
   夢のきずあと癒せない
   幼子を抱き頰を合わせる親心
   向かい彼岸に母が待つ

   ・命花(いのちばな)
   ・刃舞(やいばまい)
   ・合羽(がっぱ)

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