令和5年、ニイハオ

令和5年。干支は、癸卯。天干は癸。陰水、雨水。
天から静かに甘露がしたたり落ちる。事象は、物事
の道筋が明らかとなる。地支は、卯。季節は、春で
草木を表す。古代中国の甲骨文では天門とされる。
草が繁茂し門を開くとの象意であり、新しい動きが
生じる年となる。日本には良き年回りとなり、今後
5年間安泰である。鑑主は米国が半導体革命に成功
し、繁栄を迎えると予言しているが、先端半導体の
商品化が近いとの報道がある。日本も本事業に再度
本格参入すると知る。今回の参入は成功する。米国
の半導体技術を凌駕する商品を開発し、技術立国の
威信は輝き、栄光の新時代に立つであろう。では、
国際情勢はいかなる展開となるか。やはり、中国の
動きが最大の懸念である。その考えにおいて重要な
フレーズがある。[二律背反]である。律の字義は
規律の律と解するのが良い。つまり、二つの規律が
衝突する。1978年、中国は国家繁栄の策として
市場経済を導入し、改革開放政策を開始。生産性は
向上し、貧困状況から脱出した。しかし、中国は、
自由主義陣営とは一線を画し、社会主義市場経済を
標榜し続けている。この原則は社会共産主義と自由
な資本主義の理念の対立、二律背反である。現状、
貧富の格差が拡大し、解消は困難だ。様々な局面で
限界点を迎えている。最近では、ゼロコロナ政策に
反発するデモが中国全土で頻発している。中国は、
理念の矛盾を抱えて、国家運営を継続できるのか。
中国史は100年単位の異民族対決による興亡史で
ある。油絵の塗り替えの如く、王朝は変転してきて
いる。本来的に、中国は世界の中心に存在する土の
王国である。不動の立場を信条としてこそ国際的な
信頼を得られる。神仙佳境の懐の深さが、他国の富
を引き寄せるのだ。一帯一路や太平洋進出は、最も
危険視されている。これらの動きの根本的な理由は
宗教の問題がある。中国共産党は、レーニン教義を
原則として、無宗教、つまり神の存在を認めない。
北朝鮮も同様である。無神論に立てば、いわゆる、
天気下降、地気上昇の大宇宙のエネルギー循環は、
否定される。ここが大事。中国、北朝鮮にはガラス
の天井がある。地に満ちる膨大なエネルギーが天に
上昇できなければ、東か西に向かう。北には大国の
ロシアがある。よって、一帯一路として東欧か南下
して太平洋に進出するしかない。ちなみに、北朝鮮
は、中国と露国、韓国にはさまれて日本海に向けて
エネルギーを放出し続けている。さて、中国の繁栄
基礎は華僑ネットワークにある。かなめの一つは、
台湾である。今後、中国で民主化運動が加速すれば
中国は台湾への武力侵攻を諦め、台湾化に舵を切り
ニイハオと笑顔で二律両立を探るしかないだろう。

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