講釈師の夢想

[冷し中華はじめました。]の文字が、街行く人達
を誘い、夏本番の到来を告げる日々の中、文春警察
の精鋭部隊が、日本国を震撼させる号砲を激しく打
ち鳴らした。先般、涼子チャンらにお灸を据えて、
発情社会での健全維持を主張した後、文春スタッフ
らは、大会議室で官権の非道に対し激憤をもって、
[日の丸の赤を黒にする暴挙]は、絶対に許せない
と、敢然と世直し行動を決議した。今回の急襲先は
街中の個人レストランではない。日本国法治の牙城
政府官邸である。その軒先三寸で仁王立ちし、俊英
一同は白刃の大太刀を胴腹から抜き出し、ある者は
九尺の手槍を掲げ、[出て来い、木原。舐めるのも
いい加減にしろよ。]、と叫び続けた。文春陣営の
調査によれば、影の総理を自認する木原氏は、妻妾
生活を維持し、銀座や六本木で夜毎遊び放題。公権
を私権に変じ、誠に自由気儘な悦楽人生を謳歌して
いる。それらの悪評とは別に、[お前さん、恋女房
が前の旦那を刺殺したって言う話がある。この件に
関し、官房副長官の立場で官憲に圧力をかけている
事実は明々白々。法治を放置にするなら、テメェを
ぶった切るぞ。]。敢えて説明する必要もないが、
上記内容は、[講釈師、見てきた様に語る。]通り
で、鑑主の得意技の一つとご理解頂きたい。だが、
夢想でも相当とされれば、[お見事、週刊文春]と
快哉を叫びたい。本件発端は文春警察へのタレコミ
だ。[事件ですか、事故ですか。]、一本の電話が
ハッキリと告げる。[事件です。]、その数日後に
文春本社に張り紙が掲示された。[月光仮面はじめ
ます。]。今回は、下半身や金をめぐる人間劣情劇
シリーズではない。脆弱な野党連中には、不可能な
公正社会の実現だ。しかし、事件の性格から文春隊
の動きは慎重だ。ある日、ある時、ご老体に隊員が
声をかける。差し出された名刺を見て彼は驚いた。
よく存じ上げているとの返答を機に、畳みかける。
[家、ついて行ってもイイですか。]、断る理由が
見つからず、ご老人が数名のスタッフを自宅に招き
入れる。彼らは、部屋の奥にある仏壇の遺影に手を
合わせる。この方がご子息ですね、との言葉にただ
涙するだけのご両親。お二人のご無念は、文春警察
が必ず晴らして見せます、との固い約束を交わして
官権との闘争開始。本件の現状は、文春ニュースの
ただ乗りユーチューバーが種々説明しているので、
一応の参考とされるが良い。ここで、本事件を鑑主
が意識を集中させ、推察する。分かるのは木原夫人
からの絶縁告知と仕事上の金銭問題が重なり大口論
の現場だ。もはや、これまでと覚悟した前夫は自死
を決意する。夫人の眼前で首をかき切った。だが、
容易に死に切れない苦悶にあって、夫人の手をとり
自らの喉元にナイフの切っ先を深く突っ込ませる。
夫人からの別れ言葉は、[アンタ、往生しいや。]。

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