酒場と賭場と戦場

人間のむき出しの情欲がぶつかる場所が三つある。
酒場と賭場と戦場だ。いかに上品かつ知的な人生を
心掛けていても人間が本能を開放する、いや本能に
目覚めてしまう場所である。これらは人生の鉄火場
と総称される。個人情報の取り扱いの慎重さが重視
される現代社会であるが故に、閉塞感が個々人の心
を沈め、生き甲斐を見いだしにくい。その心の闇が
消えるのが三場所である。酒を飲めば人が変わる。
聞き飽きた栄光履歴を繰り返し、ヘタの横好きは、
カラオケマイクをつかんで離さない。高級クラブで
美女と出会えば、下半身がうずき、美貌罪で今夜は
逮捕する。でも、俺と付き合えば即釈放なんてバカ
を言ってシカトされる。酒に飲まれる人生は誠に
恐ろしい。希代の歌舞伎役者や俳優も悲惨な経験を
してしまった。さらに人心開放は丁半博打の世界で
フルスロットルとなる。競輪、競馬、ボートレース
等の公営ギャンブル場は、裏の国税局だ。ソレ行け
ソコ差せと上手く興奮させれば自主的な納付が実現
される。令和元年では3000億円を国庫に納めさ
せた。国にとっては極めて効率の良い集金システム
である。国家を維持するには、やはり金が必要だ。
そこで、考案されたのが統合型リゾート法案、通称
カジノ法案である。観光客の増加、雇用促進、地域
振興策としての経済効果は、年間2兆1千億円超と
試算されている。現状、コロナ禍での停滞はあるも
のの確実に実施、実現されよう。オンラインカジノ
の展開も想定すれば、経済効果は3兆円以上となり
将来的に国家の屋台骨となる可能性は極めて高い。
ギャンブル依存症が心配されるが貧乏人相手の商売
ではないので杞憂となろう。今、オリンピック利権
を巡り様々な事件が摘発されているが、本件捜査の
根本にはIR事業推進に対応する放置ではなく法治
主義の貫徹姿勢の表明と認識される。裏反社集団の
八百長利権は検察の監視対象となっている。もはや
反社活動の規制に表も裏もない。恐る恐る駒を進め
るしかない。さて、鉄火場の極地は戦場だ。ロシア
大統領プーチンは、重罪者達も開放しウクライナの
戦場に送り込んだ。今や戦争継続の限界点に達して
いる。鑑主は露国が9年間衰運に沈むと予言した。
もはや特別軍事作戦は、完全に失敗に終わり国状は
これから断末魔に入る。プーチンの性癖はドSだ。
いじめの快感に酔いしれる彼にムチでしばかれても
慕い続けるロシア国民はドMの集合体なのか。実状
を客観的に評すれば、失地回復こそ国家の実在証明
とするロシアは未練がましい変態国家である。とも
あれ、酒場と賭場と戦場は現世における人心の開放
エリアだ。共通項は理性の忘却。人は悦楽の海に身
を置いて溺れても悔はない。水に溶ける角砂糖だ。

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