銀の龍の背に乗って

実際問題、専守防衛を標榜する実益はどこにあるの
だろうか。日本国がある国家に突然攻撃された時に
国連安保理に訴え然るべき救済を求めるのが良いと
紳士的な姿勢や態度を堅持しようとの主張がある。
現状を鑑みて、専守防衛なる言葉を掲げて安心して
いる呑気な国は日本国だけであろう。ある国が日本
にミサイルをぶち込んできたら、戦争開始である。
専守防衛は、合気道の精神よろしく、相手の手首を
抑えて、武力行使はいけませんよ。国連に訴えます
と諭す如くの行為を意味するのか。国連は国家群の
自治会に過ぎない。自治会長と国連総長は同程度。
専守防衛は言葉の世界であり実態として存在するの
か。正しくは、迎撃専念と言うべきである。戦争が
始まれば勝つか負けるかしかない。この二者択一に
おいて勝利の確率を高めるべき方策について真剣に
議論することこそが実益となる。専守防衛の意義を
あえて認めるなら、どちらが先に攻撃を仕掛けてき
たかを明確にするだけの事である。一端戦争が開始
されれば、ロシア・ウクライナ戦争の現況が証する
様にどちらに非があるかの議論さえ無意味である。
つまるところ戦争開始には相応の理由が存在する訳
で、どちらが攻撃を開始したのかは重要ではない。
そこで検討すべきは、軍事力が防衛力を保証しない
点である。軍事力は軍事費、兵士の数や年齢、兵器
の数や質、資源・物流等の総合的な評価とされる。
今回のロシア・ウクライナ戦争がこれら数量的比較
は画一的な評価である事を明白にした。有事発生は
大地震の様にある日必ず勃発すると考えるべきだ。
令和の平和ボケ時代においてこそ日本国独自の迎撃
防衛体制を早急に確立すべきである。数字比較だけ
では説明できない防衛ネットワークやシステム開発
に尽力し統計的な軍事力ではなく実質的防衛力を有
する必要がある。自衛隊を自衛軍に名称変更すると
か、憲法第9条を改正すべきとかは、机上的な議論
である。護憲平和主義を貫徹するため、防衛力確保
をめざす統合的な迎撃情報ネットの確立、戦術核の
攻撃から国民を守れる本格的な核シェルター整備、
コンビニチェーン活用の非常食確保、ユニクロ等に
よる無洗衣料品の開発、佐川急便やクロネコやまと
による戦時下の物流システムの構築、主要高速道路
の強靱化による飛行滑走路確保、大和魂の覚醒した
民間志願兵の組織化計画の実施等、さらには日本海
が主戦場となるはずだから日本海沿岸の防衛施設の
拡充、首都機能の分散。これら全ては軍需産業振興
ではなく平和主義貫徹産業である。日本列島は米国
にとって、中国の太平洋進出を阻止する万里の長城
だ。まさに銀の龍たる列島国家である。今、その背
に乗り日の丸を心中に抱きブラボーと強く叫ぼう。

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